サイネージを始めて最初に困るのが、画面に流す中身(コンテンツ)を誰がどう作るか です。デザインの専門ソフトを使えなくても、ブラウザで動くデザインツールの Canva(キャンバ) なら、テンプレートを選んで文字と写真を差し替えるだけで、見栄えのよい画面が作れます。

ここでは、Canva でサイネージ用の画像・動画を作り、CMS(中身を管理するサービス)に載せるまでの流れをまとめます。

Canva がサイネージに向いている理由

  • 日本語で使える:画面もヘルプも日本語。日本語のフォントも選べる
  • サイネージ用のテンプレートがある:Canva にはデジタルサイネージ用のテンプレート集があり、メニューボード・店頭の案内・イベント告知などを元にして作れる
  • 無料プランでも動画を書き出せる:Canva の公式ヘルプによると、無料プランでも最大 1920×1080(フルHD)の MP4 動画を書き出せる。4K(3840×2160)で書き出すには有料プランが必要
  • 多くのCMSとつながる:Yodeck・EasySignage・Kitcast など、海外製CMSの多くが Canva との連携に対応している

まず画面のサイズを決める

作り始める前に、表示する画面の向きと解像度を決めます。Canva の「カスタムサイズ」で、次のサイズを指定するのが基本です。

画面 Canva で指定するサイズ 主な使い道
横向き(フルHD) 1920×1080 px 店内・受付・会議室など、いちばん多い形
縦向き(フルHD) 1080×1920 px 店頭のスタンド型、エレベーター前、メニューボード
横向き(4K) 3840×2160 px 大きな画面で近くから見る場所。動画の 4K 書き出しは有料プラン

迷ったら 1920×1080 で作れば、ほとんどの業務用ディスプレイ・テレビで問題なく表示できます。4K の画面でもフルHD の素材はきれいに拡大されます。

パン屋の壁に並んだ3台の縦型ディスプレイに、パンの写真と色の帯が映っている
縦型の画面を並べたメニューボードのイメージ

作り方の流れ

  1. サイズを指定してデザインを作る:上の表のサイズでデザインを新しく作るか、サイネージ用のテンプレートを開く
  2. 文字と写真を差し替える:店名・商品名・価格などを入れ、写真を自分のものに替える。文字は大きく、1画面に載せる情報は絞る
  3. 動きをつける(任意):アニメーションを付けると目に留まりやすい。動かしすぎると読みにくくなるので控えめに
  4. 書き出す:静止画なら PNG、動きがあるなら MP4 で書き出す
  5. CMSに載せる:次の章の2つの方法のどちらかで、画面に表示する

見てもらえる画面の作り方(文字の大きさ・表示時間など)は、サイネージのコンテンツ作りのコツでくわしく解説しています。

CMSに載せる2つの方法

Canva で作ったデザインをサイネージに出す方法は、大きく2つあります。

1. 書き出してアップロードする

PNG や MP4 で書き出したファイルを、CMSの管理画面にアップロードする方法です。どのCMSでも使えて、端末にファイルが保存されるので、インターネットが切れても表示が続く のが利点です。そのかわり、内容を直すたびに書き出しとアップロードをやり直す必要があります。

2. 埋め込み(連携)で表示する

Canva の「共有」メニューから埋め込み用のリンクをコピーし、CMSの Canva 連携に貼り付ける方法です。Canva 側で直すと、画面にも自動で反映される ので、価格やお知らせをよく変える場合に便利です。

ただし、表示にはインターネットへの接続が必要です。また、埋め込みではデザインの中の動画が自動で再生されない CMSもあるため、動画は MP4 で書き出してアップロードするのが確実です。

使い方 おすすめの方法
写真と文字だけ。内容はあまり変えない どちらでもよい。オフラインでも安心なのはアップロード
価格・お知らせをよく変える 埋め込み(連携)
動画やアニメーションを流す MP4 で書き出してアップロード
インターネットが不安定な場所 アップロード

Canva と連携できる主なCMS

当サイトで紹介しているCMSのうち、公式に Canva 連携を案内している主なものです。

CMS Canva 連携の内容 管理画面の日本語
Yodeck Canva アプリに埋め込みリンクを貼ると、Canva での変更が画面に反映される。書き出し用の Canva Export アプリもある あり
EasySignage Canva のデザインを埋め込むと、Canva 側の修正がそのまま反映される。無料プランでも使える あり
Kitcast 連携アプリの1つとして Canva に対応 なし
MangoSigns Canva 連携と、動きのあるテンプレートが特徴 なし
Directable Canva・PowerPoint・Adobe Express との連携に対応 なし

管理画面まで日本語で使いたいなら、Yodeck か EasySignage が候補です。くわしくはYodeckのレビューとEasySignageのレビューをご覧ください。

無料プランと有料プランのどちらを使うか

サイネージの中身を作るだけなら、まずは無料プランで十分 です。テンプレートの多く、フルHD の画像・動画の書き出し、埋め込みリンクは無料で使えます。

有料の「Canva プロ」が役に立つのは、次のような場合です。

  • 有料のテンプレートや写真・動画素材を使いたい
  • 4K の画面向けに、動画を 4K で書き出したい
  • 横向きで作ったデザインを、縦向きなど別のサイズに自動で作り直したい
  • 店のロゴや色をまとめて登録し、複数の人で同じ雰囲気の画面を作りたい

料金は変わることがあるため、Canva の料金ページで最新の内容を確かめてください。

作るときの注意

  • 素材の使い方を確かめる:Canva の写真・イラスト・音楽には、使い方の決まり(ライセンス)があります。店頭で流すなど商用で使う場合は、Canva の利用規約とライセンスの説明を確認しておくと安心です
  • 音楽は流さない前提で:店内やオフィスのサイネージは音を出さないことが多いので、文字で伝わる作りにします
  • 小さい文字を避ける:パソコンの画面では読めても、数メートル離れると読めません。完成したら、実際の画面で離れた場所から確認しましょう
  • 縦横を間違えない:縦置きの画面に横向きのデザインを出すと、小さく表示されたり切れたりします。画面の向きに合わせて作ります

まとめ

  • Canva は日本語で使え、サイネージ用のテンプレートもあり、無料でもフルHD の画像・動画を作れる
  • サイズは横 1920×1080、縦 1080×1920 が基本
  • CMSへは「書き出してアップロード」か「埋め込みで連携」。オフラインや動画ならアップロード、更新が多いなら埋め込み
  • 管理画面まで日本語にしたいなら、Canva 連携のある Yodeck・EasySignage が使いやすい

CMSを選ぶところから始める場合は、サイネージCMSの比較表とサイネージCMSの選び方も参考にしてください。

2026年10月11日時点で、Canva と各CMSの公式サイト・公式ヘルプをもとに作成しました。機能や料金は変わることがあります。