Yodeck(ヨーデック)は、世界で広く使われているクラウド型のサイネージCMSです。公式サイトでは、35万台以上の画面、6万5千以上のアカウント、135以上の国で使われていると紹介されています。
Yodeck の特徴は、1画面なら無料で使い続けられることと、年払いにすると Raspberry Pi をもとにした専用プレーヤーが無料で付いてくることです。管理画面は日本語にも切り替えられます。この記事では、公式サイトの情報をもとに、Yodeck の特徴・料金・対応端末・注意点をまとめました。編集部が実際に使った評価ではなく、公式情報を調べて整理したガイドです。
ひとことで言うと
Yodeck をひとことで言うと、**「無料の1画面から始められて、アプリとテンプレートが豊富な万能型CMS」**です。
- 1画面だけなら無料(クレジットカード不要)。新しいアカウントは30日間、5画面まで全機能を試せる
- 年払いなら、設定済みの専用プレーヤー Yodeck Player が1画面ごとに無料で付く
- 160以上のアプリと800以上のテンプレート
- 管理画面は日本語を含む15言語に対応
- 料金は1画面あたり月 $8 から(米ドル・ユーロなど。円はなし)
他のCMSと違うところ
1. 「端末込み」で考えられる、年払いの専用プレーヤー
サイネージを始めるとき、意外と悩むのが「どの再生機を買えばいいか」です。Yodeck は年払いのプランを選ぶと、専用プレーヤーが1画面に1台ずつ無料で付いてくる仕組みを用意しています。
| プラン(年払い) | 付いてくるプレーヤー | 単体で買う場合 |
|---|---|---|
| Basic | Yodeck Player(Raspberry Pi 4・メモリ1GB、フルHD) | $85 |
| Premium・Enterprise | Yodeck Player Plus(Raspberry Pi 4・メモリ4GB、4K対応) | $155 |
Yodeck Player は、小さなコンピューター Raspberry Pi に Yodeck のソフトを入れた状態で届く端末です。自分で Raspberry Pi を組み立てたり、ソフトを入れたりする必要はなく、テレビの HDMI に挿して、ネットにつなぐだけで使い始められます。くわしくはYodeck Playerの解説ページも見てください。
自分で用意した端末を使う場合は、そのぶん料金が下がる(Basic で1画面あたり年に約$20、Premium・Enterprise で約$70)とも書かれています。
日本で使う場合の注意:公式サイトでは、Yodeck Player の電源プラグの種類や日本への発送について確認できませんでした。輸入時の関税などの扱いも含めて、申し込み前に問い合わせておくと安心です。
2. 無料の1画面がずっと使える
多くのCMSは「14日間」「30日間」などの期間限定のお試しだけですが、Yodeck は1画面までなら期限なしで無料です。料金ページによると、無料プランでも Basic の機能、容量無制限、ユーザー無制限が使えます。
ただしヘルプ記事には大事な注意があります。無料になるのは、アカウントに登録した画面が「ちょうど1台」のときだけです。2台目を登録すると、2台分すべてが有料になります(1台目だけ無料のまま、にはなりません)。
3. アプリとテンプレートの多さ
Yodeck は、160以上のアプリと800以上の無料テンプレートを用意しています。公式サイトでは、SharePoint・Microsoft Teams・Power BI・Google ドライブ・Canva などとの連携が紹介されています。
さらに、タッチで操作できるインタラクティブなプレイリスト(キオスク)や、ChatGPT・Claude などの AI ツールから画面を操作できる AI Agent(MCP 対応、Premium 以上)もあります。AI Agent は安全のため「削除の操作はできない」作りになっていると説明されています。
「店頭の案内も、会議室の予定も、社内のグラフも、1つのCMSでやりたい」という人に向いた幅の広さが、Yodeck の強みです。
4. 利用者が多く、情報を探しやすい
公式サイトによると、Yodeck は世界で6万5千以上のアカウントに使われ、Capterra や G2 といった海外のレビューサイトに合わせて8,100件以上のレビューがあるとしています。ヘルプ記事(ドキュメント)も、端末ごとの設定方法や制限事項まで細かく公開されています。
利用者が多いCMSは、困ったときに公式ヘルプや海外の解説記事が見つかりやすいのが利点です。英語の記事が中心にはなりますが、ブラウザの翻訳機能を使えば、設定の手順を追うことはできます。
また、他社から乗り換える人向けに、15時間分の移行サポートなどの特典も案内されています。すでに別のCMSを使っていて、料金や機能に不満がある場合にも検討しやすいサービスです。
主な機能
公式サイトの料金ページ・機能一覧から、主なものを抜き出します。
| 分類 | 主な機能 |
|---|---|
| 表示 | 画像・動画・PDF・Webページなどすべての主要形式、レイアウトエディター(画面分割) |
| 作る | 800以上のテンプレート、160以上のアプリ、Canva 連携 |
| スケジュール | 繰り返しの予定、ダウンロードする時間帯の指定、音量のスケジュール |
| ネットが切れても | 最大35日間のオフライン再生(端末に保存して再生) |
| 管理 | 画面のオン・オフライン通知、地図で画面の場所を表示、レイアウトのロック |
| チーム | ユーザー無制限、標準の役割、二段階認証、監査ログ、パスワードのルール |
| 上位プラン | ワークスペース(組織ごとの区分け)、独自の役割と権限、SAML の SSO |
| AI | AI Agent(MCP、Premium 以上) |
セキュリティについては、ISO 27001 と ISO 9001 の認証を取得していると説明されています。データを置く国・地域は、公式サイトでは確認できませんでした。
日本語での使い方の注意として、以前のヘルプ記事(2021年ごろ)には、日本語の流れる文字(ティッカー)を表示するには特別な設定が必要と書かれていました。現在の状況は公式サイトでは確認できなかったので、日本語の表示は無料の1画面で必ず試しておきましょう。
対応端末
公式サイトの「対応プレーヤー」ページとヘルプ記事で確認できた端末です。
| 端末 | 対応 | メモ |
|---|---|---|
| Yodeck Player | ◎ | 年払いで無料。設定済みで届く |
| Raspberry Pi | ◎ | 自分で用意する場合 |
| Fire TV Stick | ◎ | Amazon Signage Stick も対応 |
| Android 端末 | ◎ | Chromecast with Google TV なども |
| Windows | ◎ | |
| Samsung(Tizen) | ◎ | |
| LG(webOS) | ◎ | |
| BrightSign | ◎ | |
| ChromeOS | ◎ | Google のキオスク用ライセンスが必要。4K動画はフルHDになる |
| Webブラウザ | ◎ | Yodeck Web |
| Apple TV・Mac・iPad | — | 対応の記載なし |
◎=対応、—=非対応または記載なし
いちばん手軽なのは、年払いで付いてくる Yodeck Player です。月払いで始める場合や、すでにテレビがある場合は、Fire TV Stick でサイネージを始める方法も安くて現実的です。
料金とプラン
料金は1画面ごとの月額です。料金ページは「年払いの場合の1か月あたり」で表示されています。
| プラン | 1画面・月(年払い) | 円の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Free | 無料(1画面のみ) | 0円 | Basic の機能、容量・ユーザー無制限 |
| Basic | $8 | 約1,200円 | 全形式の表示、800以上のテンプレート、90以上の基本アプリ、キオスク |
| Premium | $12 | 約1,800円 | Microsoft 365・Google 連携、データ可視化アプリ、AI Agent と API、高度なスケジュール |
| Enterprise | $16 | 約2,400円 | ワークスペース、SAML の SSO、独自の役割と権限、24時間×平日のサポート |
| Enterprise+ | 個別見積もり | — | 導入支援、専任担当、24時間サポートなど |
※1ドル=約150円で計算。ユーロ・英ポンド・カナダドル・豪ドルでも支払えますが、円は選べません。
- 無料お試し:2026年3月2日以降に作ったアカウントは、30日間、5画面まですべてのプランの機能を無料で試せます(カード不要)
- 値上げ:2026年4月1日から、Premium と Enterprise は1画面あたり月$1値上がりしました。Basic は据え置きです
- 月払いの金額:料金ページには月払いの切り替えがありますが、月払いの具体的な金額は公式サイトの文章では確認できませんでした
- 50画面以上:個別の見積もりになります
オプションとして、プレーヤーの保証を延長する Yodeck Assurance(1台あたり月$1)なども用意されています。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 日本語の管理画面で使いたい
- 1画面だけ、ずっと無料で使いたい(受付や小さなお店に1台など)
- 再生機選びで迷いたくない。専用プレーヤー込みで始めたい
- お店の案内だけでなく、Power BI のグラフや会議室の予定なども表示したい
- 将来、AI ツールから画面を管理することにも興味がある
向いていない人
- 円で支払いたい(→ EasySignage が候補)
- Apple TV・Mac・iPad を使いたい(→ Kitcast が候補)
- 2〜3画面を無料のまま使いたい(2台目から全台が有料)
- 専用プレーヤーを日本国内ですぐに用意したい(日本への発送条件が確認できない)
始め方(申し込みから表示までの流れ)
- 無料アカウントを作る:公式サイトから申し込みます。カードは不要で、30日間は5画面まで全機能を試せます。
- 言語を日本語にする:「My User Profile(ユーザー設定)」から言語を Japanese に変えます。
- 再生機を用意する:お試し中は、手持ちの Fire TV Stick・Android 端末・Windows パソコンなどで試すのが手軽です。
- 画面を登録する:再生機に Yodeck のアプリを入れ、表示される登録コードを管理画面に入力します。
- 中身を作る:テンプレートやアプリを選んで、プレイリストとスケジュールを作ります。
- プランを決める:1画面だけなら無料プランのまま。画面を増やすなら有料プランを選び、年払いにすると専用プレーヤーが付いてきます。
まとめ
Yodeck は、無料の1画面、豊富なアプリとテンプレート、年払いで付く専用プレーヤーがそろった、バランスのよいCMSです。日本語の管理画面もあり、初めてのサイネージでも始めやすい環境が整っています。
気をつけたいのは、支払いが外貨であること、2台目から全台が有料になること、専用プレーヤーの日本向けの条件が分からないことです。**「まず1台を無料で、慣れたら端末込みで増やしたい」**という人に向いています。
(2026年10月時点、公式サイトの情報をもとに編集部がまとめました)
5社をくらべたいときは注目のサイネージCMS 5社の比較表を見てください。
Yodeck の対応端末や料金の一覧は、Yodeck のCMS詳細ページにもまとめています。
