SignageNow(サイネージナウ)は、ドイツ・ヴェストファーレン地方のメディア制作会社 fleiter media GmbH が作ったクラウド型のサイネージCMSです。公式サイトによると、地元の見本市で使うために自社で開発したのが始まりで、2026年2月に正式に公開された新しいサービスです。
SignageNow のいちばんの特徴は、料金が「画面の数」ではなく「プレイリストの数」で決まることです。どのプランでも画面数は無制限なので、同じ内容をたくさんの画面に出したい場合には、ほかのCMSと比べて料金がぐっと安くなる可能性があります。この記事では、公式サイトの情報をもとに、その仕組みと注意点をまとめました。編集部が実際に使った評価ではなく、公式情報を調べて整理したガイドです。
ひとことで言うと
SignageNow をひとことで言うと、**「画面を何台つないでも料金が変わらない、ブラウザで動くシンプルなCMS」**です。
- 料金はアカウント単位。プランで変わるのはプレイリストの数・素材の数・容量だけ
- どのプランでも画面数は無制限。無料プランでも何台にでも表示できる
- 再生はブラウザか、Fire TV・Android TV(Google TV)向けの無料アプリ
- データはEU内のサーバーに保管。ドイツで開発
- 管理画面はドイツ語と英語。料金はユーロ(税別表示)
他のCMSと違うところ
1. 「画面ごとの料金」がない
ほとんどのサイネージCMSは、1画面ごとに月いくらという料金です。画面が10台なら10台分、50台なら50台分の料金がかかります。
SignageNow は、この考え方を取りません。公式サイトでは「プレイリストを作ったら、それを何台の画面に出すかはあなたが決めること。画面ごとにお金を払う必要はない」と説明しています。
たとえば、同じ案内を10店舗の10台に出す場合で考えてみます(1ドル=約150円、1ユーロ=約165円で計算)。
| CMS | 料金の考え方 | 10台の月額の目安 |
|---|---|---|
| SignageNow(Basic) | アカウント単位(プレイリスト2つまで) | €10 ≒ 約1,650円 |
| 1画面 $8 のCMS | 1画面ごと | $80 ≒ 約12,000円 |
| 1画面 ¥833 のCMS | 1画面ごと | 約8,330円 |
画面が多く、出す内容の種類が少ないほど、SignageNow の料金の仕組みは有利になります。チェーン店の店頭、病院や役所の待合室、複数フロアの案内など、「どこでも同じものを流す」使い方に向いています。
2. 専用の機械がいらない「ブラウザ再生」
SignageNow は、ブラウザで表示することを基本にしています。プレイリストを作るとURLが発行され、そのURLを画面側のブラウザで開くだけで表示が始まります。
- Samsung(Tizen)・LG(webOS)・Hisense(VIDAA)・Panasonic などのスマートテレビの内蔵ブラウザ
- Windows・Mac・Linux のパソコン、iPhone・iPad・Android のブラウザ
- Fire TV・Google TV・Android TV では無料の専用アプリも使える
公式サイトでは、先に素材を読み込んでおく「スマートキャッシュ」で、切り替えがなめらかになると説明しています。今あるテレビやパソコンをそのまま使えるので、機械にお金をかけたくない人には大きな魅力です。
3. 自社サイトにも同じプレイリストを埋め込める
作ったプレイリストを、お店のホームページにも埋め込めるのもユニークな点です。店頭の画面とホームページで、同じ「今週のおすすめ」を見せられます。公式サイトによると、余計なクッキーや追跡の仕組みを使わない作りになっています。
4. ドイツ製・EU保管という安心感
SignageNow はドイツで開発され、データはEU内の認証済みサーバーに保管されると説明されています。GDPR(EUの個人情報保護のルール)に沿った**データ処理契約(DPA)**を用意し、**二段階認証(2FA)**にも対応しています。アカウントを消すと、関連するデータはすぐに完全に削除されるとも書かれています。
注意したい違い:素材の数に上限がある
画面数は無制限ですが、そのかわりプレイリストの数と「メディア(素材)」の数に上限があります。素材とは、画像・動画・PDF・Webページ・テンプレートなど、プレイリストに並べる1つ1つのことです。
| プラン | プレイリスト | 素材の数 | 容量 |
|---|---|---|---|
| Free | 1 | 5(1プレイリストに3まで) | 20MB |
| Basic | 2 | 10 | 500MB |
| Premium | 5 | 15 | 1,000MB |
| Extended | 10 | 30 | 2,000MB |
上限はかなり少なめです。「スライドを何十枚も切り替えたい」使い方には向きません。少ない素材を、決まった時間に確実に流す使い方を想定したサービスだと考えておきましょう。
主な機能
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 表示できるもの | 画像(JPG・PNG)、動画(アップロード・YouTube・Vimeo)、Webページ、PDF(ページを順に表示、Basic 以上) |
| テンプレート(スクリーンアプリ) | 天気、ニュース、メニュー、イベント告知など。無料プランでも使える |
| スケジュール | 素材ごとに分単位で表示時間を指定。夜21時〜朝7時のような日をまたぐ設定も可能 |
| ダッシュボード | Google スプレッドシートなど、URLで表示できるグラフを全画面で表示 |
| 保護 | プレイリストにユーザー名とパスワードをかけられる |
| キオスク | アプリの「ホテルモード」で、お客さんが設定を変えられないようにする |
| レポート | 再生回数・再生時間・画面ごとの最終接続(Basic 以上) |
| 埋め込み | 自社サイトにプレイリストを表示 |
注意点として、テンプレートの天気は「ドイツのすべての市町村」に対応と書かれており、ニュースもドイツの放送局(Tagesschau など)のものが中心です。日本の天気やニュースを出せるかは、公式サイトでは確認できませんでした。日本で使う場合は、画像・動画・PDF・Webページが中心になると考えておくのが現実的です。
また、オフライン再生については公式サイトに記載がなく、動作の前提としてインターネット接続が挙げられています。ネットが不安定な場所での利用は、事前に試しておきましょう。複数の担当者で使うための権限設定や SSO についての説明も、公式サイトでは確認できませんでした。
対応端末
公式サイトの「動作環境」ページと再生の説明ページで確認できた内容です。
| 端末 | 対応 | 方法 |
|---|---|---|
| Fire TV | ◎ | 無料アプリ(Fire TV Stick 4K・4K Max・Cube など。4K Select と古い世代は対象外) |
| Android TV・Google TV | ◎ | 無料アプリ(Google Play) |
| Android 端末 | ◎ | 無料アプリ |
| Samsung・LG などのスマートテレビ | △ | テレビの内蔵ブラウザ |
| Windows・Mac・Linux | △ | ブラウザ(Chrome・Edge・Firefox など) |
| iPhone・iPad | △ | ブラウザ |
| Apple TV | — | 記載なし |
| Raspberry Pi・BrightSign | — | 記載なし |
◎=アプリで対応、△=ブラウザで表示、—=記載なし
自社の専用プレーヤーはありません。いちばん手軽なのは、Fire TV Stick をテレビに挿して、無料アプリでプレイリストのコードを入れる方法です。公式サイトでは「5分以内」で表示できると説明しています。
料金とプラン
料金はアカウントごとの月額で、ユーロ建て・税別の表示です。年払いにすると5%安くなります。
| プラン | 月額 | 円の目安 | プレイリスト | 画面数 |
|---|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 0円 | 1 | 無制限 |
| Basic | €10 | 約1,650円 | 2 | 無制限 |
| Premium | €15 | 約2,475円 | 5 | 無制限 |
| Extended | €20 | 約3,300円 | 10 | 無制限 |
| Reseller 50 | €60 | 約9,900円 | 50 | 無制限 |
| Reseller 100 | €100 | 約16,500円 | 100 | 無制限 |
※1ユーロ=約165円で計算。日本から申し込んだ場合に付加価値税がどう扱われるかは、公式サイトでは確認できませんでした。
- 無料プラン:期限なし、カード不要。ただし画面に SignageNow のロゴが入ります(Basic 以上で消せます)
- 有料プラン:PDF の表示、レポート、ロゴの非表示が加わります
- Reseller プラン:代理店や制作会社が、お客さんのアカウントをまとめて管理するためのプランです
向いている人・向いていない人
向いている人
- 同じ内容を、たくさんの画面に出したい(チェーン店・待合室・館内案内など)
- 画面の台数が増えても、料金を増やしたくない
- 今あるスマートテレビやパソコンを、そのまま再生機にしたい
- 表示する素材は少なめで、シンプルに運用したい
- データを EU 内に保管するサービスを選びたい
向いていない人
- 管理画面は日本語でないと困る(ドイツ語・英語のみ)
- スライドや動画をたくさん切り替えたい(素材数の上限が小さい)
- 日本の天気・ニュースなど、日本向けの自動更新コンテンツを使いたい
- ネットが切れても確実に表示を続けたい(オフライン再生の記載がない)
- 長い運用実績や、大企業向けの管理機能を重視したい(2026年公開の新しいサービス)
始め方(申し込みから表示までの流れ)
- 無料アカウントを作る:公式サイトから登録します。登録画面で言語(Deutsch または English)を選べます。カードは不要です。
- プレイリストを作る:画像・動画・テンプレートなどの素材を登録し、表示する順番と時間を決めます。
- 画面で開く:テレビのブラウザでプレイリストのURLを開くか、Fire TV・Google TV に無料アプリを入れてコードを入力します。
- ほかの画面にも同じように:同じURLやコードを入れれば、何台でも同じプレイリストを表示できます。
- 必要ならプランを上げる:プレイリストを分けたい、ロゴを消したい、PDF を使いたいときに有料プランへ切り替えます。
お試しのうちに、日本語の文字の表示と、テレビのブラウザで安定して動くかを確認しておきましょう。
まとめ
SignageNow は、「画面ごとに払う」というサイネージCMSの常識を変えた、料金の仕組みがユニークなCMSです。同じ内容を多くの画面に出すなら、ほかのCMSより大幅に安くなる可能性があります。ブラウザで動くので、今あるテレビをそのまま使えるのも魅力です。
一方で、素材数の上限が小さいこと、日本語の管理画面がないこと、日本向けのテンプレートやオフライン再生が確認できないことには注意が必要です。**「少ない素材を、たくさんの画面に、安く」**という使い方がはまる人には、有力な選択肢です。
(2026年10月時点、公式サイトの情報をもとに編集部がまとめました)
5社をくらべたいときは注目のサイネージCMS 5社の比較表を見てください。
SignageNow の対応端末や料金の一覧は、SignageNow のCMS詳細ページにもまとめています。
