PinToMind(ピントゥーマインド)は、ノルウェーの会社 Favo AS が提供しているクラウド型のサイネージCMSです。公式サイトによると、15年以上サービスを続けており、26か国・4,300以上の組織で使われています。
PinToMind が得意なのは、お店の広告よりも、**会社・学校・自治体・病院などでの「お知らせ」や「情報共有」**です。画面に出した内容を、スマホアプリ PinToMind Go で従業員や生徒の手元にも届けられるのが、ほかのCMSにはあまりない特徴です。この記事では、公式サイトの情報をもとに、PinToMind の特徴・料金・対応端末をまとめました。編集部が実際に使った評価ではなく、公式情報を調べて整理したガイドです。
ひとことで言うと
PinToMind をひとことで言うと、**「社内の掲示板を、画面とスマホの両方に置きかえるCMS」**です。
- 全プランで全機能が使え、プランの違いは主に「画面の台数」だけ
- ユーザー数は無制限。役割ごとに権限を分けられる
- スマホアプリ PinToMind Go で、お知らせをスマホにも配信(全プランに含まれる)
- Microsoft・Google のカレンダー、Power BI、SharePoint、LinkedIn などと連携
- 二段階認証と SSO(シングルサインオン)にも対応
- 料金は1画面で月 €19 相当(年払いのみ)。30日間の無料お試しあり
他のCMSと違うところ
1. 画面だけでなく「スマホにも届く」
多くのサイネージCMSは、「画面に何を映すか」だけを考えて作られています。PinToMind は、画面に出したお知らせを、スマホアプリでも読めるようにすることに力を入れています。
公式サイトによると、PinToMind Go は iPhone と Android で使え、次のようなことができます。
- 新しいお知らせが出ると、プッシュ通知で知らせる
- 読む人が、通知を受け取るチャンネルを選べる
- お知らせを保存したり、メールなどで共有したりできる
- 誰でも参加できるオープンなチャンネル(コードや QR コードで参加)と、招待した人だけのチャンネルを選べる
1画面の契約ごとに、スマホ向けのチャンネルが1つ付きます。画面と同じ内容を流すことも、スマホ専用のチャンネルを作ることもできます。公式サイトでは、広告もアルゴリズムもないアプリだと説明されており、9万人以上が使っているとされています。
工場やバスの運転手、店舗のスタッフなど、パソコンを持たない人が多い職場では、「休憩室の画面」と「スマホ」の両方でお知らせが届くのは大きな違いです。
2. 全プランで全機能、ユーザーは何人でも
サイネージCMSの多くは、上位プランにしないと権限設定や SSO が使えません。PinToMind は、どのプランでも全機能が使えると明記しています。
- ユーザー無制限(役割とアクセスの範囲を設定できる)
- すべての投稿の種類とテーマ
- すべての連携
- 二段階認証・SSO
- API
部署ごとに担当者を決めて、それぞれが自分の担当のお知らせを更新する、といった運用がしやすい作りです。SSO は Microsoft Entra ID や SAML 2.0 などに対応していますが、ヘルプ記事によると利用するには PinToMind への申請が必要です。
3. 「投稿」を並べるだけで、整った画面になる
PinToMind では、画面の中身を「投稿(ポスト)」という単位で作ります。テキストと画像のお知らせ、表、動画、カウントダウン、天気、ニュースなどの投稿を「チャンネル」にまとめ、そのチャンネルを画面に割り当てます。
デザインは、用意されたテーマとレイアウトから選ぶだけで、縦置きでも横置きでも整って見えるように作られています。ロゴや色、フォントも変えられます。デザインの知識がない担当者でも、見た目をそろえやすいのが特徴です。
4. 大きな組織のための「Flexi」と「ネットワーク」
15画面以上の組織向けには Flexi という契約があり、部署ごとに別々のアカウントを持ちながら、同じ安い単価で契約できます。請求もアカウントごとに分けられます。また、つながったアカウント同士でコンテンツやレイアウトを共有できるネットワーク機能もあります。自治体や学校のグループ、複数拠点の会社などを想定した仕組みです。
5. 環境への配慮やボランティア団体への価格
PinToMind はノルウェーの環境認証「Eco-Lighthouse(エコ・ライトハウス)」を取得していると説明しています。また、スポーツクラブや教会などのボランティア団体には、1画面あたり年 €130 という特別価格を用意しています。
主な機能
| 分類 | 主な機能 |
|---|---|
| 投稿の種類 | テキストと画像、表、動画、YouTube、カウントダウン、世界時計、天気、ニュース |
| 連携 | Microsoft カレンダー、Google カレンダー、Power BI、SharePoint、LinkedIn、Facebook、Instagram |
| 素材 | ライブラリ(画像・動画・資料の保管)、Unsplash の無料写真、GIF・アイコン・絵文字 |
| デザイン | テーマとレイアウト、ロゴ・色・フォントの変更、縦横どちらにも対応 |
| スケジュール | 表示の開始日・終了日、詳しいスケジュール設定 |
| スマホ | PinToMind Go(プッシュ通知、オープン/招待制チャンネル) |
| チーム | ユーザー無制限、役割と権限、二段階認証、SSO |
| つなぐ | API(社内システムとの連携) |
管理はブラウザで行い、パソコンだけでなくタブレットやスマホからも投稿できます。
データの保管場所について、公式サイトのデータ処理契約(2024年5月版)では、アカウントや画面の情報は英国のサーバー、画像や動画は Microsoft Azure のノルウェーのサーバーに保管すると説明されています。
一方で、日本語の管理画面があるかどうかは、公式サイトでは確認できませんでした。ヘルプ記事では、スマホアプリは英語・ノルウェー語・スウェーデン語・デンマーク語に対応と書かれています。また、ネットが切れたときの動きについて、旧版(Classic)のヘルプには「最後に受け取った内容を表示し続ける」とありますが、現行版(PinToMind 3)での説明は確認できませんでした。
対応端末
公式サイトの「ハードウェア」ページでは、Samsung の業務用ディスプレイをいちばんのおすすめにしています。
| 端末 | 対応 | メモ |
|---|---|---|
| Samsung 業務用(SSSP) | ◎ | 公式のおすすめ |
| LG 業務用(webOS) | ◎ | 対応機種はヘルプで確認 |
| Philips・Sony(BRAVIA Professional)・Vestel | ◎ | 対応機種はヘルプで確認 |
| Raspberry Pi 5 | ◎ | 専用OS(PinToMind OS)入りを注文できる |
| Windows | ◎ | Microsoft Store の再生アプリ |
| ChromeOS | ◎ | Google の管理用ライセンスが必要 |
| Android 端末 | ◎ | Ugoos などの機種 |
| Webブラウザ | △ | お試し・一時的な利用向け |
| Fire TV・Apple TV | — | 記載なし |
◎=対応、△=一部の機能のみ、—=記載なし
公式サイトは、家庭用のスマートテレビはサイネージ向けではないのでおすすめしないとはっきり書いています。手持ちのテレビを使う場合は、HDMI につなぐ Raspberry Pi 5 をすすめています。なお PinToMind は機器を直接販売しておらず、販売店やパートナーから購入する形です。ブラウザでの表示は、ブラウザ1つが画面1台分の契約として数えられるので、テストが終わったら閉じるよう案内されています。
料金とプラン
料金は画面の台数で決まるプラン制で、**すべて年払い(前払い)**です。
| プラン | 画面数 | 月あたり(年払い) | 年額 | 円の目安(年額) |
|---|---|---|---|---|
| Start | 1 | €19 | €230 | 約38,000円 |
| Plus | 3まで | €36 | €430 | 約71,000円 |
| Super | 5まで | €60 | €720 | 約119,000円 |
| Large | 6以上 | €70+7台目から1台€12 | €840〜 | 約139,000円〜 |
| Flexi | 15以上 | 見積もり | — | — |
※1ユーロ=約165円で計算。米ドル(Start は年$270)・英ポンドなどでも表示されます。円は選べません。
1画面あたりにすると、Start は月 約3,100円、Plus と Super は月 約2,000円です。1画面あたりの単価は5社の中で高めですが、そのぶん権限・SSO・スマホアプリまで全部入りです。
- 無料お試し:30日間、カード不要。全機能を試せます
- 支払い:カードか、メールで届く請求書。支払い後の返金はありません
- 透かし:Start と Plus は画面に小さな PinToMind の透かしが出ます。Super 以上で消せます
- アップグレード:いつでも可能で、支払い済みの期間分は差し引かれます
向いている人・向いていない人
向いている人
- 社内・学校・自治体などのお知らせを、紙の掲示から置きかえたい
- パソコンを持たないスタッフにも、スマホでお知らせを届けたい
- 部署ごとに多くの担当者で更新したい(ユーザー無制限)
- Microsoft や Google のカレンダー、Power BI の数字を画面に出したい
- SSO や二段階認証など、会社のセキュリティのルールに合わせたい
向いていない人
- 管理画面は日本語でないと困る(公式サイトでは確認できない)
- 1画面をできるだけ安く使いたい(月 約3,100円・年払いのみ)
- Fire TV Stick や Apple TV で手軽に始めたい
- 店頭の広告や、動画中心の派手な演出をしたい(お知らせ向けの作り)
社内向けの画面づくりについては、オフィスのダッシュボード・社内サイネージも参考にしてください。
始め方(申し込みから表示までの流れ)
- 無料お試しに申し込む:公式サイトから30日間のお試しを始めます。カードは不要です。
- チャンネルを作る:お知らせの投稿をいくつか作り、チャンネルにまとめます。テーマとレイアウトを選びます。
- まずはブラウザで確認:画面がまだなくても、パソコンのブラウザで表示を試せます。
- 再生機を用意する:対応する業務用ディスプレイにアプリを入れるか、Raspberry Pi 5 などを HDMI でつなぎます。
- 画面を登録する:画面に出るコードを管理画面に入力し、表示するチャンネルを選びます。
- スマホにも配信する:PinToMind Go のチャンネルを作り、QR コードや招待で社員に参加してもらいます。
- プランを選ぶ:続ける場合は、画面の台数に合ったプランを選んで年払いで申し込みます。
まとめ
PinToMind は、「お知らせを、画面とスマホの両方で確実に届ける」ことに特化したCMSです。全プランで全機能・ユーザー無制限、SSO や二段階認証まで使えるので、会社や学校、自治体のように多くの人で運用する組織に合っています。
一方で、1画面あたりの料金は高め、年払いのみ、日本語の管理画面が確認できない、Fire TV に対応していない、といった点には注意が必要です。店頭の広告よりも、組織の中の情報共有を良くしたい人に向いた選択肢です。
(2026年10月時点、公式サイトの情報をもとに編集部がまとめました)
5社をくらべたいときは注目のサイネージCMS 5社の比較表を見てください。
PinToMind の対応端末や料金の一覧は、PinToMind のCMS詳細ページにもまとめています。
